新型コロナウィルスの影響により2018年から開催が中止されていた、タイの旧正月を祝うソンクラーン(水かけ祭り)。
2023年より新型コロナウィルス騒動が落ち着いたことにより開催が再開されました。今後ソンクラーンの季節にタイ旅行を検討している方で気になるのは、コロナ禍明けに再開されたカオサン通り周辺の実情ではないでしょうか。
そこで当記事ではソンクラーンへの参加を検討している方に向けて、4年ぶりに再開された水かけ祭りへ実際に参加してみた筆者による体験談や注意点などを紹介していきます。これからタイ観光でカオサン通り周辺で、ソンクラーン参加を検討している方は是非参考にしてみてください。
ソンクラーンとは?
ソンクラーンとは、タイの旧正月4月13日〜4月15日に国民総出で行われる水かけイベントです。なお一部エリアでは日時が若干異なり、一例としてカオサン通りでは前日の4月12日夜間でも水かけが行われていました。
元々ソンクラーンはお浄めとして仏像などに水をかけてお正月に敬意を払うタイの習慣でしたが、後々水を掛け合う習慣までに発展したとされています。現在では他人でも水をかける行為は「敬意を払う」行為とされ、町中でお祝い(?)として水掛合戦が繰り広げられています。
ソンクラーンはタイで1年の中でも最も暑い気温となるため、実際に参加した感想としてずぶ濡れ状態が涼しくて気持ちいい点が印象的でした。水かけは観光客でも勿論参加が可能なので、現在では国籍を問わずに世界中で大人気のお祭りとして注目されるイベントです。
ソンクラーン(水かけ祭り)の開催箇所一例
ソンクラーン中は基本的に場所を問わず、町中や道路で水を掛け合う習慣が根付いています。その中でも、賑わいを見せるエリアの一例が以下の通りです。
- カオサン通り
- セントラルワールド周辺
- セントラルスクエア
- アユタヤ
- チェンマイ旧市街
- プーケット
- プラパラディーン
集中エリア内でも、カオサン通りは泥塗りOK、セントラルエリアでの泥塗りはNG、アユタヤではゾウさんと水掛け合戦が行えるなど、それぞれ特徴があります。
また水かけ祭りの最前線付近は、警察の荷物検査といったゲートが用意されているため戦場(?)が非常に分かりやすいのも印象的でした。
またソンクラーンはタイ以外にも、「ミャンマー・カンボジア・ラオス」といった一部の周辺国でも開催されます。
2023年バンコク・カオサンロードのソンクラーンに3日間参加した結果…
水かけ祭りが解禁された2023年、筆者も実際にカオサン通り周辺でのソンクラーンに参加しました。カオサン通りに辿り着く間にも、既に子供たちやトラック型車両の荷台からの無差別放水が行われており、既にスプラトゥーン状態です(笑)
そんな水かけ祭りに3日間参加した、一部始終や詳細についてもお伝えしていきましょう。
水鉄砲・防水ケース・水は現地で購入可能
水かけ祭りに不可欠な水鉄砲や防水ケースは、集中エリア近辺といった現地でも販売されています。そのため、「サンダル+水着」など濡れても良い服装であれば、必要な物資は現地調達ができるでしょう。
靴は後に乾かすのが大変なため、事前にクロックスやビーチサンダルなどに履き替えての参戦がおすすめです。
値段は水鉄砲は100B〜400B程度で、大型の水鉄砲ほど噴射威力が高く標的の良い反応が得られます(笑)また一部エリアではGrabやChangといった企業がスポンサーとして、防水ケースの無料配布が行われていました。
さらに、人混みが集中する場所では、栄養ドリンクやカルピスなどの飲料も無料で配布されているのも印象的です。
現地での水鉄砲の弾丸装填は、飲料を販売している各夜店の氷水などを5B〜10B程度で購入することができます。ターゲットの激しいリアクションを求めている方は、大型水鉄砲にキンキンに冷えた弾丸を装填するのも楽しみの1つでしょう。
夕方〜夜間が最も混雑するピークタイム
終日賑わいを見せるカオサン通りですが、来場客数がピークに達し大混雑するのは夕方〜夜間にかけての間です。昼間では人は多いものの流れはスムーズでしたが、夕方から人混みによる詰まりが発生し始めます。
特に初日の夜間は人が多すぎてカオサン通り周辺に近づけない状況に達し、あまりの異常な人混みへと発展したため筆者は急遽宿へ避難しました。案の定ソンクラーン初日ではレスキューも中に入れないほど危険な状態に達し、20:50時点でカオサン通りは入場禁止・中止といった緊急対応が実施されました。
翌日以降は警察による厳重な交通整備が行われ、カオサン通りは荷物検査・一方通行が行われる体制が敷かれました。そのため、押しくら饅頭状態の危険な状態を避けて参加するには、比較的混雑度がマシな昼間の参加がおすすめです。
トゥクトゥクと露出の多い女性はターゲットになりやすい
ソンクラーンで最も格好の的になるのは、観光客が利用するトゥクトゥクや肌の露出が多い女性です。理由としてはトゥクトゥクを利用するのは観光客である点や、どちらも氷水をかけると反応が良いからでしょう(笑)
路上も水鉄砲を構えた二人乗りバイクや、ドラム缶を積んだギャング車両が走り回っており油断することができません。ソンクラーン中のトゥクトゥクはスプラッシュマウンテン顔負けのアトラクションだと思い、覚悟して乗車しましょう。
また泥塗りも男性よりも女性がターゲットになるケースが多いため、汚れ対策は男性以上に気を使う必要があります。
夜間は汗・ビール・大麻・ナンプラーの香りが充満
特にコロナ禍明けの変化として最も目ぼしい点は、大麻(マリファナ)が合法化されている点です。中でもカオサン通りは大麻ショップが乱立しており、喫煙を楽しめる点もタイの特徴です。
ソンクラーン中のカオサン通りは、汗・ビール・大麻・ナンプラーの香りといった独特の香りが充満しています。大麻と酒が回っているのか、まともに歩けていない白人男性を一度だけソンクラーン前夜祭で見かけました。
開催中は大量の警察官が総出で交通整備や荷物検査を行うため、治安に関しては大きな問題は起きないと想定されますが念のため警戒が必要でしょう。
ソンクラーン(水かけ祭り)参加の注意点
国籍を問わずに誰でも参加することができるソンクラーンですが、一部注意点も存在します。そこで、日本人がソンクラーンに参加する前に押さえておきたい、注意点の一例についても紹介します。
汚れても良い服装で必ず参加
カオサン通り周辺ではソンクラーン中は水をかけられるだけではなく、顔中「ディンソポーン」と呼ばれる泥のようなものを塗りたくられます。
これはタイで昔から使用されている日焼け止めのようで、ソンクラーン中のコミュニケーションとして塗り合う文化が存在しているようです。カオサン通りではディンソーポーンを販売する屋台が数多く、5B程度で購入することができます。
学生のタイ人はお互い塗り合い髪の毛まで全身ドロドロになっていましたが、一応気を遣っているのか外国人には頬に少し塗る程度の配慮を感じました。白い服で参加すると汚れが落ちないといったトラブルに発展するため、上着は汚れても良い服装でソンクラーンの参加がおすすめです。
スマホ・小銭は防水ケースを利用する
ずぶ濡れ必須の水かけ祭りでは、革財布がダメになってしまう恐れがあるため防水ケースの利用が必須。スマホも防滴機能が備わっている場合でも、ズブ濡れとなるソンクラーンに耐えることができる保証はありません。ソンクラーン中の貴重品の管理では、防水ケースの使用・保護を推奨いたします。
私のケースでは開催されることを知らなかった前夜祭にて、持ち込んだ革財布が濡れた上にカビが生えてしまいました(涙)
店員・お坊さんに放水はNG
見知らぬ人同士で水を掛け合っても無礼講な水かけ祭りですが、お坊さんや屋台で働いている店員さんへの放水はマナー違反です。
水をかけてもOKな店員さんは無駄に放水してくる水鉄砲の販売員や、バーでのキャッチなど業務に差し支えの無さそうな店員に限ります。ちなみに荷物検査を行う警官など仕事中の警察への放水はもちろんNGですが、待機している警察などはお構いなしに放水されている様子です。
交通整備を実施している警察に関しては水をかけられるどころか、どこかの民族のごとく顔中泥が塗りたくられています。また高台から様子を観察していたお偉いさんっぽいDJポリスのような警官が、無駄に観光客から集中砲火されていたのが印象的でした(笑)
カメラ・PCなどの電子機器は防水対策が必須
世界的に珍しいソンクラーンの光景を撮影したい場合には、必ず防水対策を施した器材で撮影を行うようにしましょう。
防水機能のない一眼レフに簡易的なシートを掛けただけでは、到底ソンクラーン中の猛攻からカメラを守ることはできません。
そのため、撮影は防水機能が備わったデジカメやPENTAXといった高機能カメラや、GoProなどの利用がおすすめです。筆者はGoProに水中用のカバーを取り付けて撮影した結果、ファンサービス(水鉄砲の格好の的)として集中砲火されました。
まとめ
言葉を交わさなくても世界中の人々と、少年・少女の頃に戻ったように水鉄砲で遊ぶことができるソンクラーン(水かけ祭り)。観光に力を入れているタイでも、ソンクラーンは1年に数日しか体験することができない貴重な経験を味わうことができます。
2023年以降に解禁されたソンクラーンの事前情報を押さえた上で、水かけ祭りを堪能できる旅行プランを組み立ててみては如何でしょう。またソンクラーン期間周辺の空港券や宿泊代は高額になる上に予約で埋まる恐れがあるため、早めの事前予約がおすすめですよ。