グルメ

熊本直送!無人の馬肉専門店に行ってみた。

とある無人販売所が今年の5月にオープンしていました。お店の名前は、肉oitokune(にく おいとくね)。そう、名前からも分かる通り、お肉の無人販売所です。

でも、一般的なお肉を売っているお店ではないのです。牛肉?豚肉?鶏肉?お肉屋さんと言えば、多くの方はこの3つのうちのどれかを思いつくのではないでしょうか?これらの他には、羊やシカ、イノシシのお肉もありますね。

お肉にも色々ありますが、「肉oitokune」は、馬肉の専門店なんです。

24時間馬肉が買える!

肉oitokune

初めてお店の存在に気づいた時には、「えらいまたユニークな無人販売所ができたなぁ」というのが正直な感想でした。早速、自分の周りにお店の宣伝がてら意見を聞いてみました。
周りの反応としては……

  • (馬肉を食べる習慣がないから)行こうと思わない。
  • わざわざ行こうという気にならない。
  • ・馬肉が欲しいと思わない。

などなど、正直マイナスなものでした。確かに、私自身も馬肉といえば、熊本に観光で行った時にしか食べたことがありません。九州に行かないと食べられないものと言うイメージもあり、人生で3回も食べたことがないと思います。でも、とてもおいしかった覚えがあります。

日常的に食べる習慣のない土地に突然できた馬肉専門店。しかも無人販売店。実際どうなのか、無人の古着屋に続いて、無人シリーズで行ってきました。

なんで、馬肉なんだろう?

まず前提として、私が住んでいるのは九州でもないし、馬肉が名産という土地柄でもありません。なぜ馬肉のお店なんだろう?と、思っていました。
お店のSNSを発見したので見てみると、そこには店主さんの開店に至るまでの思いが綴られていました。

もともと店主さんは、大学4回生の時に地元にパーソナルジムを開業します。初めてのことで苦労しながらも、お店を続けていくうちに、自分の作ったサービスで人が喜ぶ姿を見て、すごくやりがいを感じるようになったそうです。地元に、もっと色々な自分のお店を残したい、と思うようになったことが、無人販売を始めるきっかけだと書かれていました。

そして、ここで馬肉を選んだ理由にも触れ、純粋に馬刺しの美味しさを自分の店で広めたかったと続きます。馬肉の名産地である熊本県から直送できるように、現地を10社以上回って仕入れ先を見つけたそうです店主さんが、人生のどこで馬刺しに縁があったのかの記載はされていませんでしたが、パーソナルジムを経営されていることから、低脂肪で高タンパクな食材に詳しいのかも知れません。

店主さん曰く、馬肉は、低脂質で高タンパクのヘルシー食材でもありながら、希少なお肉であるが故に、提供しているお店が少ない。もっと気軽に、馬刺しが手に入る機会を提供したいと考え、無人販売を思いついたようです。

馬肉がどんな状態で売られているのか、買いに行ってみた

無人販売所の冷蔵庫

無人販売なので、24時間いつでも入店可能です。ドアを手動で開けて入ると、並んだ冷蔵庫と買い方を書いたボードが迎えてくれました。

無人販売での購入の仕方

  1. 冷蔵庫の前に立って、買いたい商品を選びます。
  2. 商品を取り出したら、レジへ向かいます。ここは、カードでも現金でも支払い可能でした。現金の場合は、用意されている伝票に自分で記入し、置かれているクリアボックスにお金を入れてます。この場合お釣りがないので、そこだけは要注意です。
  3. 私は、カード払いで済ませることにしました。タブレットで、選んだ商品をタップし、決済方法を選びます。支払いは簡単にできました。
馬肉の無人販売レジ

無人店舗ならではの配慮が

お客様ノート

ここで、このレジカウンターに店主さんの人柄がよく現れていると感じたので、ご紹介します。まず、「お客様ノート」。開けてみると、思いのほかたくさんの方の書き込みがありました。

馬肉屋さんのレシピノート

その隣に置いてあった「レシピ特集」。これも手作り感が、何だかいい味を出しています。
その他にも、店内の表示がすごく丁寧だと感じました。

人がいない分、どうしても説明表示が細かくなるのですが、やかましく感じないのです。

古着屋さんにもお客さまノートがあったり、たくさんの表示があったりましたが、どちらの店も無人だからこその配慮が見えるお店だと感じました。

馬肉のハンバーグ

馬肉のハンバーグ

この日の夕飯に、早速買ってきた馬肉のハンバーグを食べてみました!本当は馬刺しが食べたかったのですが、中々のお値段だったので、またの機会にすることに。今回は、手頃なハンバーグにしました。お肉は、馬肉100%です。馬肉ギョーザも人気らしいのですが、残念ながら売り切れていました。冷凍食品なので、焼くだけです。

気になる味ですが、さすが馬肉だなと感じる物でした。お肉がふっくらしていて、油が少ないというよりさっぱりしている印象でした。さすがヘルシー食材です。クセはないのですが、ちゃんと馬肉の風味がして、すごく美味しかったです!

お客さんの反応も見ることができる!

馬肉のハンバーグ 調理後

まずインスタのフォロワー数は、800人弱です。コメントでは、ベストな解凍方法を尋ねたり、ここでは食べられないと思っていたから、馬肉が手に入るようになって嬉しいなどの声が寄せられていました。

お客様ノートを見ると、みんなそれぞれたくさんの意見やあいさつを書いていました。味の感想はもちろん、カード払いに手間取って結局現金払いにしたことや、(在庫切れの商品を)早く入荷してほしいなどの意見が見られました。中には、「初めて馬肉を食べたけど、美味しかった。また来ます。」というコメントが書かれていて、店主さん嬉しいだろうなと想像がつきました。店主さんからは、赤ペンで返事が書かれていて、本当に交換ノートみたいでした。こういう店主さんの姿勢もあって、一定数お店のファンもできつつあるようです。

無人販売所には、優しさがある

無人販売所の冷蔵庫

無人販売所ですから、確かに人はいません。
しかし、先日の古着屋さんや今回のお肉屋さんに行って感じたことがあります。
無人販売には「人がいないからこその優しさ」を感じます。

まず、お店側の優しさです。
お客さんが困らないように、困っても助けられるように、気持ちよく買い物できるようにという配慮をそこかしこで感じるのです。お店の表示、ディスプレイの仕方、緊急連絡先の表示などです。どちらの店にも「お客さまノート」が置かれていた点もそうです。SNSでも済むこの時代に、手書きのノートが、なぜか逆に良いのです。良いことばかりが書かれてはいないとは思いますが、色々な形で、お客さんの意見を聞こうとする姿勢が見られます。

そして、お客さん側の優しさです。
まず、無人販売はきちんとお金を払ってくれるだろうという信頼がないと成り立ちません。万引きしようと思えばできてしまいます。お店が続くのは、お客さんが、きちんと代金を払い、お店をキレイに使っているからです。優しさとは違うかも知れませんが、この当たり前が成り立つのは、実はすごいことではないかと思っています。

また、SNSやお客様ノートから分かるのは、人がいなくても「会話」があることです。時代が変わって、会話の形は変わっても、店主さんとお客さんが会話するお店が続くのだと思います。有人店舗でも無人店舗でも店主さんの思いが見えるお店は良いなぁとつくづく感じました。

馬肉専門店 肉oitokune
熊本直送の新鮮な馬刺しが食べたい時に手に入る
https://www.nikuoitokune.com
https://www.instagram.com/niku_oitokune/

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