これからお遍路をはじめたい方で、「なんだか準備にお金がかかるなぁ」と思った方はいませんか?安心してください。筆者もそう思った一人です。
四国在住の筆者が、四国遍路の準備費用を抑えるために行った方法をいくつかご紹介します。
これからお遍路をはじめたい方はもちろん、お遍路を知らない方、いつかしてみたいお遍路初心者のみなさん。ぜひ参考にしてくださいね。
まずは四国遍路について知ってみましょう。
1.お遍路・四国八十八ケ所霊場とは
四国八十八ケ所霊場は弘法大師(空海)が修行された霊跡です。お遍路は弘法大師が修行した八十八の霊場を巡礼することを意味します。弘法大師の軌跡をたどると煩悩が取り除かれ、ご利益がもたらされると言い伝えられており、約1200年にも渡る長い歴史の中で現代のスタイルに変遷を遂げてきました。
お遍路の本来の目的は修行です。しかし現代においては信仰に基づく巡礼はもちろん、健康祈願や自分探しの旅、癒しを求めてなど目的は人によってさまざまです。
2.四国八十八ケ所の回り方
・順打ち:1番札所から88番札所へ順に巡ること
・逆打ち:88番札所から1番札所へ順に巡ること(順打ちより更にご利益があるとされている)
・通し打ち:一度で全ての札所を巡ること
・区切り打ち:いくつかに区切って札所を巡ること(参拝する順序はさまざま)
回り方に決まりはありません。行けるところからスタートしましょう。
1番札所の霊山寺前にはお遍路用品をを取り揃える門前一番街というお店があります。
実際に見て触ってあれこれ準備されたい方は1番札所からスタートすることをオススメします。
3.お遍路方法
徒歩
歩き遍路は最も伝統的な方法です。40〜50日かかると言われているので体力やスケジュールに注意が必要です。お遍路特有の「お接待」の文化に触れることができるかもしれません。
自家用車・レンタカー
通し打ちだと9〜10日かかります。ゆっくり回って2週間程。体力や時間を節約し、四国観光を楽しみながら自分のペースで巡ることができます。時に細い道もあるので運転に自信がない方は要注意です。
ツアー
参加費用はかかりますが、お遍路について熟知しているガイドさんがついているので安心。参加者同士の出会いもあるかもしれません。自分のペースで巡りたい、好きなものを食べまくりたい方はツアー以外の方法をオススメします。
その他
自転車やバイク、バスやタクシーなどさまざまな方法があります。
四国に住む筆者は、自家用車の区切り打ちにてお遍路をスタートさせました。
4.準備物・服装
何かとお金がかかるお遍路。
少しでも出費を抑えたいですよね。
正装はありますが服装は自由なので全て揃える必要はありません。
しかし筆者は格好から入りたかったためある程度買い揃えたのですが、結果的に大正解でした。
モチベーションが上がり、お遍路をしているという意識が強くなることで気持ちが引き締まったからです。
お遍路用品を手に入れる方法は大きく分けて2つ。
現地(四国)で買うか、事前に買うか。
わたしのように少しでも準備費用を抑えたい方は事前にインターネット等で購入することをオススメします。お遍路用品を一式セットで売っているところもあるのでセットで買うのもいいでしょう。
しかしこだわりが強いタイプの筆者は、一式セットだと色など選べないことが多いのでセット購入は断念しました。
こちらは愛媛県にあるまつちかお遍路ショップのお遍路グッズ購入申込書です。
オレンジ色の部分に「必ずご用意いただきたい用品」と書かれています。
車遍路なので、金剛杖を準備する予定はなかったのですが、「お遍路参りで最も大切な品」ということだったので購入しました。
調べてみると、金剛杖が弘法大師の化身としての役割を持ち、金剛杖を持って巡礼することは弘法大師と共に歩くこと(同行二人)を意味するそうです。
これらを参考に筆者が準備したものは以下の通りです。本格的にお遍路の準備をしたい方は、遍路笠以外のものは最低限必要なものと考えます。
- 遍路笠
- さんや袋
- 白衣(袖付き)
- 輪袈裟
- 納経帳
- 御影帳
- 経本
- 納札
- 念珠(もともと持っていたもの)
- お線香
- お線香ケース
- ろうそく
- ライター
- お賽銭
- 金剛杖+杖カバー
写真に金剛杖はありませんが、筆者は金剛杖と遍路笠、お賽銭以外のものはフリマアプリと100円ショップで買い揃えました。
さんや袋のみ中古品ですが、他のものはフリマアプリにて全て新品・未使用品で購入しました。
金剛杖と遍路笠は実際に見て被って、現地で購入です。
100円ショップで買ったものはこちら。
どれも消耗品なので、税込110円というのはとてもありがたい。
今まで100円ショップの仏具コーナーに立ち寄ったことはなかったのですが、念珠まで売っていてビックリしました。
ここまででいったいいくら節約になったのか、気になりますよね?
「現地で買い揃えた場合」と「フリマアプリ+100円ショップでほぼ買い揃えた筆者の場合」とで比較してみました。「現地で買い揃えた場合」は先ほどのまつちかお遍路ショップにて全て買い揃えたと仮定します。
現地で買い揃えた場合 | 筆者の場合 | |
遍路笠 | 2,530円 | 2,530円(現地) |
さんや袋 | 3,740円 | 1,100円(フリマアプリ) |
★白衣(袖付き) | 2,750円 | (フリマアプリ) |
★輪袈裟 | 1,320円 | (フリマアプリ) |
★納経帳 | 2,200円 | (フリマアプリ) |
★御影帳 | 2,200円 | (フリマアプリ) |
★経本 | 330円 | (フリマアプリ) |
★納札(白色)200枚 | 220円 | 7,999円(★6点まとめて) |
念珠 | 3,040円 | 0円(もともと持っていたもの) |
お線香 | 660円(約270本入) | 110円(約222本) |
お線香ケース | 440円 | 110円 |
ろうそく | 610円(約200本入) | 330円(68本入×3箱=204本) |
ライター | 180円 | 110円 |
金剛杖+杖カバー | 1,870円 | 1,870円(現地) |
合計 | 22,090円 | 14,159円 |
差額は7,931円、約8,000円の節約になりました。
今回念珠は購入しなかったので、その分を考慮すると約5,000円の節約になったということになります。高級ランチ1回分くらいでしょうか。
最後に、準備費用を抑えるためにお賽銭も事前に準備しておくことをオススメします。
事前にお賽銭を準備しておかないと、八十八カ所の本堂と大師堂とにそれぞれお賽銭をするため、お財布を開くと100円や500円玉しかない!という事態が発生するかもしれません。
お寺によってはお賽銭用に両替してくれる場所もありますが、全てのお寺ではありません。
5.お遍路基礎知識まとめ
四国遍路についてなんとなくわかっていただけましたか?準備費用を少しでも抑えるためには、「事前に購入」「フリマアプリと100円ショップを活用」「お賽銭は事前に準備」を覚えておくときっと役に立つと思います。
早速明日から5円玉を集めたくなったことでしょう。
準備ができたら四国遍路の旅に出発です!