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応募しても選ばれないのはなぜ?PRのプロから学ぶ提案文の注意点とフリーランスに必要な心構え

MC佐々木舞

フリーランスで活動を続けるためには、継続して仕事を取らなければなりません。独立してから、数多くの案件に応募しているものの、なかなか受注できずに悩む方も多いでしょう。

今回は、案件を獲得するうえで肝となる「自分の魅力を最大限に伝える方法」について、フリーランスのWebライターである佐々木舞さんにお話を伺いました。佐々木舞さんは過酷なTV業界で途切れることなくリポーターやMCの仕事を受注し続けています。

また、現在は月間1億8,000万PVの生活情報サイトや、大手出版社が運営するグルメサイトで執筆するなどWebライターとしても活躍されています。

最後までお読みいただくことで、フリーランスで活動するにあたって重要な選ばれるスキルや、自分の魅力が伝わる方法を理解できるはずですよ。

佐々木舞さんのプロフィール

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長崎県出身で、専門学校を卒業してからは、福岡県を中心にテレビリポーターとして活動。

TVやラジオ、展示会・トークショーなどでMCとして活躍。フリーランスとして10年間働いたのち、2年間かけて世界一周の旅へ出る。

帰国後はMCなどのイベント業務やテレビ出演に加えて、Webライターとしても活動。2023年4月に「やさしいライターコミュニティ」ライティングアイランドを設立。

勘を生かしてテレビリポーターなどの仕事を受注

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――佐々木さんが初めて受注したお仕事は、どのような内容だったのでしょうか。

佐々木さん:高校卒業後に福岡の芸能系専門学校へ進学したものの、ご縁があり入学してから1,2ヶ月ほどでお仕事をいただきました。最初のお仕事は、プロ野球の実況生中継における三塁側リポーターでした。

――すごいですね!でも、なぜ高校を卒業してすぐにお仕事を受注できたのでしょうか。

佐々木さん:私の場合は、自己PRと勘が良かったです!

――勘とは具体的にどのようなものでしょうか。

佐々木さん:オーディションを受ける番組では、どのような人を探しているのか想像するうえでの勘です。たとえば、年配の方たちが多い番組だと「若い風を吹かせたいのかな?」「少し生意気な若い子を求めているのかな?」とか、このあたりを見定める勘が元々良かったですね!

数百人で数枠を競うオーディションのプレッシャー

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――自分自身をPRするという点で、テレビ業界における過酷さエピソードがあれば教えてください。

佐々木さん:過酷さで言うと、オーディションに受からなければ給料が0円になることです。1つのオーディションでは、普段からレッスンをめちゃくちゃ頑張っている方たちが数百人単位で応募します。しかし、この中から選ばれるのは1〜2人ほどです。

選考は番組の改編期である春前と秋前の年2回しかないため、受ける方は相当気合をいれるのですが、倍率は何百分の一であり結構大変でしたね…。

――それだけ競争が激しいと、当日は重苦しい空気になっていそうですね…。

佐々木さん:当日は、ピリピリした空気が漂っていましたね〜。選考は基本的に集団で行われるのですが、先に話す人が業界では有名なベテランの方だと話もめっちゃ上手なので、そのあとに私の順番が来るとドキドキしましたね…。

――受注できなければ給料がもらえない点においては、フリーランスも同様のプレッシャーがあります。人気の案件には多くの応募があるので、豊富なキャリアを持つ方とも比較されるなか、どのように自分をPRしていくかが重要ですね!

多くの方が提案文さえ見てもらえない理由

撮影:長島啓太

――フリーランスで案件へ応募しても、選ばれにくい人の特徴があれば教えてください。

佐々木さん:典型的に選ばれない人の特徴として「提案文が長い」。これは本当に多いです!

採用担当は、特に多くのエントリーがあった場合、ダラダラと書かれている提案文は読みません。知りたいことを探すために、わざわざ長い文章を読む手間はかけず、見てすぐにわかる人の提案文しか見ないんです。

――たしかに、すべての提案文を読む時間は取れないですよね。

佐々木さん:あと、もう1つあります!私がライティングアイランドで「これだけは絶対するなよ!」と話しているのが、提案文をテンプレで送ることです。

仮に大手メディアの編集部でライターを募集する場合、採用を担当する方は皆、経験豊富です。そんな編集部の方は、テンプレやコピペは「文章から浮いて見える」と言うんですよ。

文章を流用している個所はすぐにわかるため、テンプレや使いまわした提案文で応募している方は選考を通過できませんね。

実績がなくても知名度のあるメディアで採用された方の工夫

撮影:長島啓太

――自分の魅力を最大限伝えるために、必要なことを教えてください。

佐々木さん:段階がいくつかあるなかで、まずは自分の良いところを書き出してみることです。具体的には、自分のできることやこれまでの経験を書き出します。その際に、周りの方へ自分の良いところを聞くのもおすすめですよ!

あとは案件に合わせて、自分の強みや特徴をいれるのも大事です。以前、ライティングアイランドで記名記事を書いた経験のないメンバー方が、有名なグルメ系メディアに応募したいものの「実績として出せる記事がない」と悩んでいました。しかし、提案文の工夫により受かりましたからね!

――それはすごいですね!具体的にどのような提案を行ったのでしょうか。

記名記事がないので、文章力に関しては提案文でアピールしました。

また、料理好きを証明するために、自分のレシピノートを写真に撮りました。また、料理ので写真で溢れる自分のデータフォルダをスクショして「これぐらい好きなのでオリジナルで記事を書けます」と、アピールしたのです。

この方のように、応募する案件と類似の実績がなくても受注できる可能性はあります。自分が該当のジャンルに詳しいことを証明して、編集部の方に「このライターさんなら中身が濃い記事を書いてもらえそう!」だと、感じてもらえれば採用されますよ!

フリーランスこそ当たり前のことを当たり前にすることが大事

撮影:長島啓太

――フリーランスで継続して仕事を受注するために、必要な心構えを教えてください。

佐々木さん:社会人として、当たり前の態度で接することです。具体的には、以下のとおりです。

  • 返事はすぐに返す
  • 同じ指摘を何度も受けないようにする
  • 報連相をきちんと行う
  • 納期を守る
  • マニュアルを徹底する

これがきちんとできれば、継続して仕事をもらえるようになります。なぜなら、できている人の方が少ないからです。

編集部の場合、担当者同士ですごく横のつながりがあるんですよ。そのため、一度どこかの編集部からお仕事をもらえたら「ここから広げていくぞ!」ぐらいの気持ちが重要です。ほかの業務を受ける労力と情熱を、すべて目の前の編集者や案件に注ぎ込めば、そこから仕事が広がるので!

――目の前の仕事を一生懸命こなすことで、そこから仕事が広がっていくのですね。

佐々木さん:元々知っている担当者からの紹介であれば、トラブルに発展することもほとんどありません。目の前の案件に全力を尽くす方が、結果的に余計な労力を割かずにフリーランス生活を送れます。

ですので、フリーランスで必要な心構えとしては、本当に社会人として当たり前のことを当たり前にすることが大事だと思います。

ABOUT ME
長島啓太
インタビュー記事を中心に執筆しているフリーランスの専業ライター。独立前はWeb広告領域に10年ほど携わり、現在はスポーツ系雑誌への寄稿や、企業サイトに掲載する採用インタビューなどジャンル問わず幅広く対応。趣味はスポーツ観戦で、高校野球なら1日4試合見ても飽きない。 ◆歓迎分野:スポーツ/インタビュー/Webマーケティング/転職/ビジネス